脚長差(きゃくちょうさ)とは?

左右の脚の長さが異なることを「脚長差」といいます。
一般社団法人日本ヘルスファウンデーション協会(以下JHFA)が一般の方100名を対象に実施したアンケートでは、37名の方が「脚の長さの左右差を自覚したことがある」と回答しています。
実は身近な問題である脚長差。
左右の脚の長さに差があると、何が問題となるのでしょうか?
どのくらいの差がある?

脚長差は平均3〜6mmあるといわれています。
ほんの数ミリですが、この左右差によって骨盤が傾いたり、背骨が湾曲するなど、体への影響は意外にも大きいもの。
ヨガマットをお持ちの方は、試しに片足の下に敷いてみてください。違和感を感じるはずです。
短時間であれば違和感のみですが、その左右差のある状態で立つ・歩くを繰り返すことで、体への負荷が積み重なっていきます。
※一般的なヨガマットは厚さ3-5mmです。薄いタイプだと1mmのものや、厚いものだと10mm程度まであります。お持ちのヨガマットのサイズを見て試してみてください。
病院で「脚長差」として診断を受け、保険診療の適応となる場合もありますが、それは3cm(30mm)以上が対象です。
多くの方が医療の対象外となる脚長差を抱えていることが分かってきています。
どんな問題が起こる?
脚長差によって起こる不調としては、腰痛や膝痛が代表的です。
側弯症の原因にもなり得ます。
何が原因?
脚長差の原因は、ライフステージによって異なります。
(1) 成長期に起こる脚長差

成長期に片側の脚にだけ荷重がかかるような習慣があると、片脚の成長が抑制されて脚長差が生じることが分かっています。
※この現象は「ヒューターホルクマン則(成長骨端軟骨への圧縮ストレスは骨の成長を抑制する)」で説明されます。
では、成長期に片脚にだけ荷重がかかるような習慣にはどのようなものがあるでしょうか?
(例1) スポーツ
成長期の脚長差の原因で多いのが、スポーツの習慣です。
片脚で踏み込んだり、体重を片脚にかけ続けるようなスポーツは、脚長差の発生原因となります。
(例2) 立ち方の癖
いわゆる「休めの姿勢」も、片脚に体重をかけ続ける習慣の一つです。短時間であれば問題ないのですが、立っている時はいつも片脚に体重をかけている、ということであれば問題です。
本人の無意識な習慣にであることが多いので、いつも休めの姿勢を取っているお子さんには、ご家族や周囲から教えてあげることが大切ですね。
(2) 成長期を過ぎてから起こる脚長差
成長期以降に起こる脚長差もあります。
怪我などによる影響(関節軟骨の損傷など)や、関節の変形(膝が伸びきらないなど)が原因の場合です。
脚長差は治るの?
大人になってから(成長期を過ぎてから)脚長差に気がついた場合、多くは脚長差そのものを治すことは難しいでしょう。
骨や軟骨の形、長さ自体が変わってしまっているので、基本的にはご自身の骨格特性として共に人生を歩んでいくことが必要です。
脚長差による不調を起こさないためには?

視力を補うメガネと同様に、ご自身の脚長差を補正することで、不調を予防することができます。
脚長差の補正には「補高用インソール(足底板)」がおすすめです。
歩いている時に一番衝撃を受ける(荷重のストレスのかかる)踵に厚みを出すことで、左右差を補正します。
1mm単位での調整が可能です。
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自分の脚長差は何mm?

では、脚長差があると自覚した場合、実際にどのくらいの差があるかを測定するにはどうしたら良いのでしょうか?
数ミリ単位での補正となるため、メガネと同様、プロによる測定が重要です。
脚長差は、「脚の長さコーディネーター」が測定することができます。
骨盤の左右差を測定し、インソールで1mm単位の調整をした上で、歩きの中でおかしなストレスがかかっていないか?脚長差ではなく他の骨格の影響を受けていないか?などを細かくチェックしていきます。