予防運動研究会 概要

予防運動研究会は、平成24年12月1日に「予防理学療法研究会」として設立しました。
医療者の目線で「自分にとって大切な人が病気になって病院にくるまで病院で待っている事は出来ない。」という想いで立ち上げた研究会です。
少しでも早く改善する方法を伝えられたら、病院に来るまでに悪化することなく過ごせる人がいるかも知れません。
現在は、病院などで培った医療の知識を基礎に、より一般の方とのつながりを大切にし、医療者だけではなく、フィットネス分野への啓蒙も視野に入れて「予防運動研究会」へと名称を変更し各種運動の専門家が集まって活動しています。
歯科のデンタルケアのように・人間ドックの検査のように、身体の動かし方、骨格の特長、歩き方など、私たちの専門的知識を多くの方の予防に寄与できるよう、啓蒙活動にも力を入れています。
「予防運動」とは

「予防運動」とは、疾患や障害が起きてからの治療ではなく、疾患になる前に運動によって予防しよう、という考え方です。
本研究会では、特に骨・関節疾患を中心とした予防に力を入れて活動しています。単にトレーニング方法を指導するのではなく、「どんな不調がおこる可能性があるか?」「どういうメカニズムで不調が起こるのか?」という原因究明の視点をもって運動を指導することを重視しています。
また、対象者本人の自覚化を促すこと、ヘルスリテラシーの向上を促すことも大切にしています。成長期前の子ども達、保護者への教育活動も行なっています。
予防運動研究会の使命

骨格による個性を明らかにして、個人が本来あるべき姿勢や動き方を自覚することで障害や病気を予防する。さらに、骨格特性の形成メカニズムを明らかにして、世の中に骨格の正しい発達を促す啓蒙活動を行う。
心身の不調を取り除く予防医学的な運動を推進して、将来的な障害や病気の発症を幼少期から防ぐ。特に変性疾患の予防を目指す。
何を予防するのか・どうやって予防するのか

予防運動の対象となる将来的な障害は、現時点では以下があげられます。
- 変性疾患…変形性股関節症、変形性膝関節症、変形性脊椎症、肩関節周囲炎 など
- 腰椎辷り症
- 腰部側弯
- うつ病
- 産後の不調

骨・関節疾患の原因は大きく3つあると考えられ、それぞれの要因に合わせて適切な運動指導を行うことで、将来の障害を予防します。
そのために各人の問題点を明確にする「アセスメント」を重要視しています。
-3つの要因-
- 骨格特性
- 生活習慣(環境要因)
- 遺伝素因
具体的には下記の3つのポイントを対象者に伝えていきます。
- 心身の状態を様々な評価を行い明確にする
私たちは一人ひとり顔が違うように、それぞれの骨格にも個性があります。
これを「骨格特性」といいます。骨格にあった自然な体の使い方をしていれば、骨・関節に負担はかかりません。
しかし、骨格を無視した運動を行なっていると、骨・関節が悲鳴をあげるのです。
骨格特性を明らかにする評価を行い、適切な助言を行います。-代表的な骨格特性-
- 脚長差
- 前捻角
- 腸骨回旋偏位
- 側弯症
- フラットバック
- 臼蓋形成不全
- 斜頭
- 理想的な姿勢を伝える「姿勢ファースト」
どんな運動、パフォーマンスにおいても基盤となるのは「姿勢」です。
日常的にとっている姿勢の習慣化が将来の障害につながる可能性があることを明らかにし、理想的な姿勢を伝えていきます。
「関節のニュートラル」という概念を持って、正しいアライメントを定義し、ヒト本来の姿勢が取れるように指導をします。 - ファンクショナルムーブメント
ヒト本来の自然で機能的な動きは、骨・関節への負担もかかりません。機能的な正しい動き方を指導します。
具体的には、以下の3つのコンテンツを推奨しています。
- ヨガ
- アーサナアナトミカルアプローチ
- ピラティス
- ファンクショナルローラーピラティス
- ウォーキング
- エボリューションウォーキング
予防運動の専門家を育成

予防運動研究会では、予防運動を指導できる専門家として「予防運動アドバイザー」を育成しています。
予防運動アドバイザーは3つのステップを用いて予防運動を伝えます。
- STEP1
- Primary Search(評価)
- STEP2
- Awareness Facilitation (教育)
- STEP3
- Behavior Advice(指導)