予防運動アドバイザー®資格について
「予防運動」とは、疾患や障害が起きてからの治療ではなく、疾患になる前に運動によって予防しよう、という考え方です。予防運動アドバイザーは、個々の骨格を考慮し、個人が持つ本来の姿勢や動き方を明確にすることで、障害や病気の予防に役立つ予防運動をアドバイスを行う専門家です。
心と体の不調を解消するために、予防医学的な運動を提案し、将来的な障害や疾患の発症を幼少期から防ぐことを目指しています。特に変性疾患の予防に重点を置き、個々の個性や身体の特性に合った運動をアドバイスします。対象者本人の自覚化を促すこと、ヘルスリテラシーの向上を促すことも大切にしています。
予防運動のアプローチ
予防運動の対象となる将来的な障害には、以下があげられます。
- 変性疾患…変形性股関節症、変形性膝関節症、変形性脊椎症、肩関節周囲炎 など
- 腰椎辷り症
- 腰部側弯
- うつ病
- 産後の不調
骨・関節疾患の原因は大きく3つあると考えられ、それぞれの要因に合わせて適切な運動指導を行うことで、将来の障害を予防します。
そのために各人の問題点を明確にする「アセスメント」が重要です。
-3つの要因-
- 骨格特性
- 生活習慣(環境要因)
- 遺伝素因
具体的には下記の3つのポイントを対象者に伝えていきます。
1. 心身の状態を様々な評価を行い明確にする
私たちは一人ひとり顔が違うように、それぞれの骨格にも個性があります。
これを「骨格特性」といいます。骨格にあった自然な体の使い方をしていれば、骨・関節に負担はかかりません。
しかし、骨格を無視した運動を行なっていると、骨・関節が悲鳴をあげるのです。
骨格特性を明らかにする評価を行い、適切な助言を行います。
-代表的な骨格特性-
- 脚長差
- 前捻角
- 腸骨回旋偏位
- 側弯症
- フラットバック
- 臼蓋形成不全
- 斜頭
2. 理想的な姿勢を伝える「姿勢ファースト」
どんな運動、パフォーマンスにおいても基盤となるのは「姿勢」です。
日常的にとっている姿勢の習慣化が将来の障害につながる可能性があることを明らかにし、理想的な姿勢を伝えていきます。
「関節のニュートラル」という概念を持って、正しいアライメントを定義し、ヒト本来の姿勢が取れるように指導をします。
3. ファンクショナルムーブメント
ヒト本来の自然で機能的な動きは、骨・関節への負担もかかりません。機能的な正しい動き方を指導します。
具体的には、以下の4つのコンテンツを推奨しています。
【ヨガ】・・・アーサナアナトミカルアプローチ
【ピラティス】・・・ファンクショナルローラーピラティス
【ウォーキング】・・・エボリューションウォーキング
【バランス】・・・バランスロッカー
予防運動の専門家を育成
予防運動研究会では、予防運動を指導できる専門家として「予防運動アドバイザー」を育成しています。
予防運動アドバイザーは3つのステップを用いて予防運動を伝えます。
- STEP1
- Primary Search(評価)
- STEP2
- Awareness Facilitation (教育)
- STEP3
- Behavior Advice(指導)