おすすめ書籍3冊目は「薬も手術もいらない めまい・メニエール病治療」(角川SSC新書)です。
著者の高橋正紘先生は、大学でメニエール病の研究をされていた先生です。
その先生が、「研究をやっていても真理は見つからない、実際の臨床からしか
真理はみつからない」と仰って独立されるんです。
「いくら研究をやっていても、研究のための研究になってしまい視野が狭くなる。 答えはやはり患者さんが持っているんだ」と仰って、それで高橋先生はめまいメニエール病センターを作ります。
先生はめまいメニエール病センターで何千人という方をみて、山ほど実績をつみます。そして、今までやってきた研究と実際の臨床でみていることは本当にあっているのか、と試してみます。
そして、臨床で患者さんをみていくなかで、色々と答えが見えてきます。それは、論文に書いてあったり、厚労省だとか色々な研究班の方(メニエール病は難病指定なので色々な研究がなされています)の言っていることとは
違う結果になった、ということです。
これはすごいことなんですよ!
国が推奨していることすらも間違っているかもしれない
この本には、なぜそういった研究が行われているのか?どうしてその薬が推奨されているか?という、めまい・メニエール病治療のウラが書かれています。
ウラというのは、研究者の思い込みや、研究の権威による見解、例えば「○○教授が言ったから」ということで、実は真実が歪められている、ということです。 つまり、「メニエール病といえばこの治療だ」と国が推奨していることすらも実は間違っているかもしれないということ。 高橋先生はそういった研究をする側、推奨する側にいた方です。
しかし、ある偉い先生が、例えば○○教授が、とか力を持っている人間が発信すると、それにみんなが流れて行ってしまう。高橋先生は「それはおかしい」、「それは患者さんをみて言っていることじゃないでしょう」、「患者さんをみなさい」と、めまいメニエールセンターを作りました。
メニエール病とは生活習慣病!ストレス疾患!
めまいメニエールセンターをやって、最終的になにが分かったかというと… メニエール病とは、生活習慣病!ストレス疾患!だということです。 どうやったらメニエール病が治るかというと、有酸素運動と生活習慣の見直しなんですね。 従来のメニエール病の治療は手術、ステロイド治療、投薬がほとんどです。
しかし、それらの治療法は実は無効で、有酸素運動と生活習慣によって改善する、ということがわかりました。それで高橋先生は様々なケースをピックアップして指導します。
そして、有酸素運動と生活習慣を変えたらこんなによくなった!という結果を出したわけです。 有酸素運動はHR100〜120回/分くらいの運動を、1日にできたら3時間くらいやったほうがいいと仰っています。そうとう気合入れなきゃだめだと。
抑圧型がメニエール病になりやすい
ひとは皆それぞれ攻撃的だったり、抑圧的だったりと、色々な性格の特徴があります。 色々な特徴があるなかでも、特に自分を抑圧してしまうような、抑圧型の方がメニエール病になりやすいと書かれています。 この抑圧型というのは、日本人特有の、思っているんだけど表現できない、外にだせないという性格です。 いわゆる心理学でいう「Aタイプ」のような頑張って真面目な性格と、それに加えて抑制してしまう性格が、実はメニエール病のベースにあると先生は仰っています。
ですから治療としては、その行動特性を修正しないといけない、となります。 ストレスは、その人が「報酬不足」を感じることから起きています。 「頑張って頑張って、なのにどうして見返りが返ってこないんだ」という、このフラストレーションが実はすべてのベースにあるということです。 ストレスのベースには行動特性があります。 それから生活習慣でいうと睡眠不足です。
対症療法ではなくて原因を探っていく。
つまり予防の考え方なんですよ!
メニエール病は内耳のリンパ水腫ですが、リンパ水腫に対してどう治療するかではなくて、 なぜリンパ水腫が起こるのか?というと、生活習慣と行動特性だったというところを、高橋先生は見つけたわけです。 結局、西洋医学というのは対症療法ですよと。 対症療法ではなくて原因はなんなんだって探っていくのが大事なんだって、先生はこの本で仰っています。つまり予防の考え方なんですよ!
メニエール病はこうやったら予防できるよ、と。そういう視点でみていくと、ステロイド治療や手術というのは必要ないと。 メニエール病は生活習慣を変えて、有酸素運動をやったら治りますよ!といっている、活気的な本なんです。 整形疾患も、どんな疾患も、結局は生活習慣と運動にいきつくでしょう。 この本は、めまい・メニエール病をみながらも、予防医学についてが書いてあります。 この本に書かれている内容は、僕らがやろうとしていることそのまんまです。そのまんま!
研究なんか鵜呑みにするな、医者がいっていることなんか鵜呑みにするな、というのを研究者かつ、非常に権威ある先生が言っている。 この本は絶対読んでくださいね!